心から楽しんでいた飲酒からの解放

 

私は、父親がカトリック、母親がプロテスタントの福音派の信徒という、いわゆるクリスチャンホームで育ちました。

小さいときから、カトリックかプロテスタントの教会へ通い、聖書にある良いこと悪いことは、ちゃんと区別できていたと思います。

地元のカトリックの高校へ進みました。フィリピンでは、大多数がカトリックの学校へ通っています。ガールフレンドから誘われて、世界規模のカトリック団体「ユース・フォー・クライスト」に参加し、熱心に活動しました。そして、カトリック教会で洗礼を受けました。


私は、その頃、お酒を飲む事を始めました。とても楽しく、悪いとも間違いとも思うことなく、時には、お酒を飲みそのまま学校へ行くこともありました。両親はそれをとても嫌がっていました。

 

拍車のかかった飲酒の楽しみ

 

バギオにある大学に進み、両親から離れて、大学の寮での生活が始まりました。そこで、兄からお酒の飲み方を教わり、もっと楽しくお酒を飲むことができるようになりました。

毎日お酒を飲み、心から楽しんでいました。高校の時に加わっていた「ユース・フォー・クライスト」の活動も再び始めましたが、あまり熱心になれず、信仰はダウンして行きました。

カトリック教会へは通っていましたが、自分は満たされず、何かを自分は探していました。ペンテコステ系のプロテスタントの教会から流れてくる賛美に、心が触れられて行ってみました。そこでの賛美に非常に心がひかれて、継続して通うようになりました。また、そこで語られているみことばや説教が、毎日の生活において多くの力を与えられました。

日常は、ただ毎日お酒を飲んでは楽しい時を持っていました。

 

カトリックからプロテスタントに

 

大学卒業後、就職し、マニラに住むようになりました。今度は、職場仲間と、お酒を飲み毎日楽しんでいました。日曜日にはカトリック教会へは通ってはいました。

その頃、妻と出会い交際する中で、プロテスタントの家庭で育った妻から「プロテスタントの教会へ行った方がいいよ。」と言われ、大学時代も行った事があるので覗く程度に行ってみました。

そこで合った人々から、何か自分とは違うものを感じました。たとえば、そこにいる人々は全て自分より若い人ばかりと思いましたが、実際は自分より年上の人ばかりで 十歳以上も年上の人もいました。彼らは何か光っていて輝いていますが、「自分はそれがない。」とショックを受けました。しかし、同時に「自分もそうなりたい。」と主に祈り、プロテスタントの教会に通い始めました。

そこでは、神様が自分のそばで現実に生きて働いていることを、 さらに深く実感できました。 再度その教会で洗礼を受けて、結婚しました。 妻は、生まれ育った田舎に住み、私はマニラで会社の寮に住んでいました。私は、毎日ちゃんと仕事をし、ここでもお酒を飲んでいました。

 

牧師の訪問

 

ある時、マニラで通う教会の牧師が直接私に会いに尋ねてきました。そういった事は、まれなことで、少しビックリしました。

牧師はいきなり「お酒を飲む事はよくない。」と、聖書のことばから説教されました。 箴言には「ぶどう酒は、あざける者。強い酒は、騒ぐ者。これに惑わされる者は、みな知恵がない。」とありますが、お酒のない生活など考えたことがない程、お酒を飲む事が大好きでしたので、その時はその言われたことを気に止めることさえありませんでした。

しばらくして再度、牧師は尋ねてきて、同じことを語って行きました。その時も、何も頭に残りませんでした。お酒を飲むことが一番の楽しみで、間違っているとも思えず、やはり毎日飲んでいました。

 

自分が間違っています

 

しばらくして、再度、牧師が訪問してきて、同じ事を語られました。 その時はなぜか、みことばにもあるように、「イエス・キリストは、自分がお酒を飲む事を喜ばれない。」と思いました。

自分の内側に、確かに牧師が語ったように、「お酒を飲む事はよくない、間違っている」と、初めてわかりました。

 

「神様、助けて」と祈る

 

その時から私は、「イエス・キリストのために、お酒をやめたいです。神様、こんなにお酒が大好きな私ですが、お酒をやめられるように助けて下さい、お酒を飲みたくないと願えますように。」と、祈り始めました。

会社の寮住まいですし、それまでの事もあり、あちらこちらから毎日お酒を持ってこられたり、お酒に誘われてましたが、その都度、「主よ、助けてください。」と、真剣に祈りました。

会社や寮の中で、仕事仲間からの誘いや勧めは止まず、あざけられることもありました。 でも、ただただ神様に祈りました。

 

なくなった「飲みたいという願望」

 

そういった状態がしばらく続き、数か月して、自分には「お酒を飲みたい。」という願いがないことがわかりました。なくなっていたのです。

高校時代から続いていた、「お酒を飲もう」という思いがなくなっていました。25歳の時です。信じれないことでした。

その時から今までも、周りの環境は変わらず、会社の寮住まいですし、仕事仲間はお酒を飲んでいます。 私の隣でお酒を飲んでいようとも、誘われようとも、すすめられようとも、お酒を飲みたいと少しも思わなくなったのです。

今29歳で、あれから4年以上経過していますが、周りがお酒を飲んでいても全く「お酒を飲みたい」という願いはありません。 私は、いつも神様の喜びで満たされています。

 

飲酒から解放して下さった主イエス・キリストに感謝します。

 

 

フィリピン マニラ在住 セネン・ブノルナ

 

 

family of Mr. Senen Bunolna

セネン・ブノルナさんご家族