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30歳までしか生きられないはずだった・・・
「脊柱側わん症」
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「脊柱側わん症」との戦い
私が20代の頃、女性だと言う事もあり、かなり「脊柱側わん症」の事を気にしていました。幼い頃は症状も軽く、さほど気にしていませんでした。年を積み重ねる度に、その症状は段々進んで行きました。10代の時は施設に入れられ、辛く淋しい時を過ごしました。それから、自宅に引き取られましたが、家で待っていた事は、すごく厳しい現実でした。(家族の問題でした。)症状が進んでいた私は、少しも自力で動けず、座ったままの状態でいました。自分の障害の事や、家族の問題などを考えるだけで、全てが嫌になり、もう、死にたいとさえ思うようになりました。何度も、何度も自殺を図りました。こんなにも人って涙が出るんだな！と本当に思いました。（ブログ『晴ちゃんランド』の「晴ちゃん昔話」をご覧下さい。）
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● 医者からの宣告
丁度その頃、知り合いの方から、大牟田の牧師さんを紹介して頂きました。牧師御夫妻は、とても優しい方で、私の複雑な悩みを真剣に聞いて下さいました。徐々に、私の気持ちも前向きに変わって行きました。そこで、私の心にひらめいたのが、「もう一度頑張ってみよう！よし、手術をしてみよう！」と。そして、さっそく牧師御夫妻に相談しました。御夫妻は、私の気持ちを良く理解して下さり、何処か、「脊柱側わん症」の手術が出来て、上手な病院はないかと、私達は一生懸命に、知人に聞いたり、電話をかけたりしました。色々検討した結果、熊本にある病院に行く事に決まりました。
そして、病院に行く日が来ました。大牟田の牧師御夫妻、母、姉、私…。その時、すでに普通に息をするだけでも、辛く感じる体になっていました。手術は初めてだし、すごく怖い。でも「脊柱側わん症」の手術がスムーズに行ったら、一人でも座れて、息苦しさもなくなり、これから先、どんなに楽になることかと、ドキドキしながら、待合室で待っていました。先生は脊柱専門で、腕が良いとの評判を聞いて来ました。名前を呼ばれ、入って行きました。私は自分の障害の症状を詳しく話し、将来に向けて、強い手術願望がある事を伝えました。先生は、「分かりました。出来る限りの事はしましょう！」と、笑顔で言って下さいました。目の前が明るくなり、喜びでいっぱいになりました。レントゲンなどを含めて、たくさんの検査をしました。
再び診察室に呼ばれた私は、先生から、すごくショッキングな事を言われました。「思ったより、かなり病状が重度です。私は、手術に自信がありません。」と言い、さらに「手術の成功率は殆どありません。これから先、手術の事は考えないで、自分で楽しい事をして暮らして下さい。」そして…「言いにくい事なのですが、現実問題として聞いて下さい。体の側わん症の重度さから見て、あなたは30歳までしか生きる事が出来ないと思います。」と言って、先生は黙って下を向いてしまいました。もちろん、私は絶望感でいっぱいになり、生きて行く力も無くしてしまいました。
家に帰り、私は毎晩泣き続けました。数日立ったある日の事、急に海を見に行きたくなりました。私は小さい頃から海が大好きでした。そんな大好きな海で死ねたらいいな、と思いました。片道45分かかる海まで車椅子で行きました。すごく綺麗な海でした。絶望した私は、どんどん海の方へ向かって行きました。丁度途中で車椅子のタイヤが砂に埋まって、何と、全然動かなくなったのです。しばらくすると、だんだん潮が満ちてきました。私は、その時にすごく怖くなりました。でも、周りには誰もいません。でも、もう海水が腰の所まで来ていました。もう少しで波からさらわれそうになりました。もう駄目ね…！そう思った時、ひとりの中年男性が通りかかりました。私は必死で助けを求めました。気付いた男性がビックリして、慌てて車椅子をひっぱって下さいました。危機一髪のところで助かりました。
●教会で与えられた神様の祝福〜来年50歳に!
その後も何の希望もない私でしたが、時々来て下さる大牟田の牧師さんのメッセージを聞き、賛美したり、兄弟姉妹たちと交わる中で私の心は慰められて行きました。
そしてイエス様を信じ、洗礼を受けました。洗礼の時、祈っていたのが「こんな障害を持つ私でも本当に心から理解してくれる真面目で誠実でやさしいパートナーがほしいです。」と初めて祈りました。そして運命の出会い、今の主人と出会ったのです。その後、彼もイエス様を信じ、一緒に大牟田教会に行くようになりました。そして結婚へと導かれました。
今では彼は牧師となり、荒尾の地に2人で遣わされています。
「30歳までしか生きられない。」と宣告されてから早や数十年が経ちました。私も来年50歳になります。私にとってこれはまさに奇蹟です。それどころか、日々新たにされ、毎週、片道3時間かけて荒尾教会の奉仕に通っています。先月行ったチャリティーコンサートに偶然通りかかった心の病を持つカトリック教会の姉妹が、「障害を持っているあなたがこうして毎週日曜日、しかも平日まで荒尾に来てくれている事が、私にとって奇蹟です。」と言っておられました。
神様から与えられた命、これからも一人でも多くの人々に賛美を通し、また、証を通して生きる希望と喜びを伝えて行きたいと思っています。
『わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している。』イザヤ書43章４節
TLCCC荒尾教会 伊藤晴美
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