木原 純子
2003年 5月 9 日(金)
8人の子育て日記



 

 長崎の中学では給食がない。入学してしばらくはお弁当を持っていっていたが、最近は「おかぁの作った弁当よりパンが良いという。毎日毎日ずっーとパンの日が続いてもう2年近くになる。朝もだいたいはパン食だ。朝もパン、昼もパンというのは、成長期の子供たちにとって良くないとは思いつつも、朝食を作る余裕が全くなかった。
 ところが、先月sさんがカンボジアの孤児院から帰ってきた。Sさんは私たちの家族にとってかけがえのない助け手、強い味方である。7人目がお腹の中にいてあまりにも大きくてふーふーいっていた頃、Sさんが来て下さった。
 実は数年前6人目が生まれて四苦八苦していたときに、インドネシアの教会の牧師さんご夫妻が長崎に来られて、「あなたは助けてを神さまに求めるべきです。」と言われたのだった。それまでは出産の度ごとにおじいちゃんやおばあちゃんに助けてもらっていたのだが、その上誰かに助けてもらうという発想が全くなかった。日本では確かにそうだ。最近でこそヘルパーさんが来て下さるというサービスがすこしづつ浸透してきているが、ちょっと前まではお手伝いさんがいてくださると言うのは、よっぽどのお金持ちか特別の人だった。しかし、アジアの国々では違うのだそうだ。お手伝いの人を頼まないのは、全く愛のない非常識なことだと言う。特に必要がなかったとしても、仕事のない人に仕事を与えるのが「愛」らしい。世界の常識は本当に国ごとで違うのだと教えられた。Sさんは仕事がなかったわけではない。大切な仕事を辞めて、両親のいないカンボジアの孤児のために一時学びのために長崎に来られたのだ。しかし、一目で直感。私たちのこんな状況を助けてくださる人はこの人しかいない、と。 
 子供たちはみんなSさんが大好き! そのSさんが家事を助けてくださって、朝食をつくる元気がでてきた。これでみんな朝型になれるといいな。
お弁当の代わりに、朝ごはん