木原 純子
8人の子育て日記
5月21日(水)
 後の状態はまだ明らかにされていません。しかし今すでに神の子供です。(新約聖書第1ヨハネ3章より)


 高校は見つからなかった。でも心には平安。まぁとにかく1年英語をもっと勉強して、それから来たっていい。いや、その方が無理がない。そう思って英語のアドレスひとつを頼りに、ふたりで語学学校探しに行くことになった。昨日はハワイの牧師さんが助けてくださったが、今日は私と長女の乏しい英語だけが頼り。とにかく簡単な英語を頭の中で組み立てて、フロントのおじさんに道順を聞く。「アイ、ウォントゥ、ゴー、トゥー、ジス、スクール」

 初めてのハワイ、美しい海を見る余裕は全くない。とにかく間違えないでバスに乗り、目的地に着かなければならない。バス停に着いたらちょうど発車するところ。「待ってぇ〜」 日本語で一生懸命叫んだが、むなしく行ってしまった。

 途中迷って、ハンバーガーショップに立ち寄る。ファンタを頼んだのに、なんどもウォーター? と聞き返してくる。チキンサンドが食べたかったのに、結局まずいタコスをふたりで分けて食べた。

 語学学校に着くとスタッフは皆日本人。おまけに生徒も90パーセントが日本人。私はほっとしたが、長女はショックだったみたい。

 帰りはもうお土産を見て回って、帰国気分。tシャツ7枚19ドル。大きなチョコレート1箱1ドル79セント。うわぁ、めちゃくゃ安い!  とっても幸せな気分になっているところへ、日本にいる夫からの携帯電話。「土壇場で決まるから、もう一度高校へ行ってみろ」との事。

 実はまだ幾つか気になっているところがあった。アポイントメントを取ろうと思ったが英語が早くて聞き取れない。結局は日本から友人の助けを借りることに。芸能人も行っているところ、ここは何度も断られた。最後に最近新しくできたらしい所が導かれ、電話では外国人など受け入れたことはないと言われたが、明日の朝ふたりで体当たりしてみる事にする。「留学って英語でなんてい言うんだっけ」ぼっーと頭の中で考えているとまた携帯電話のベルが鳴った。

 「何かお手伝いしましょうか」ハワイ教会の一人の婦人の方からだった。夕食を食べながら涙がこみ上げてきた。私たちだけでは何もできない。日本では真夜中になるというのに喜んで国際電話をかけて下さった友人や、休みの日をまるまるつぶして案内してくださったハワイの牧師さん。そして数え切れない人たちが祈ってくださっている。あぁ、教会の人たちのたくさんの助けを頂いてこうして生きてゆけるんだなぁ。と異国の地に放り出されて実感した。
ハワイの一日!