木原 純子
8人の子育て日記
6月7日(土)

 父親が、年に一回の孤児院の総会で東京に行くことになった。長崎はとっても好きだが、飛行機の便が少なく、福岡まで行くことが多い。、間に合うバスも電車もなく、福岡空港まで送っていくことになった。

 夜中の3時。夜逃げのようにそっーと布団を取り出し、車の後部座席に敷き詰める。まず、ひとりめ。2歳の息子のズボンを取り替えて、静かに抱きかかえ、後部座席に寝かせる。今度はふたりめ。4歳の娘をこれもまた静かに抱いて、後部座席に寝かせる。後の子は置いてけぼり。

 早朝は車も少なく、すいすいと走るので、高速を使わず下の道を走ることに。いつも使っているバンはスピードが出ないので、友人の車を借りた。

 福岡までは熟睡のはずのふたりが、後部座席でごっつんこ。勢力争いで負けた2歳の子が目を覚まし、結局ふたりとも目を覚ましてしまった。福岡空港に着くとすぐに、「おかあさん、おしっこ!」 車から降りて間一髪、出発ロビー前のびゅんびゅん車が走る往来で見事なおしっこ。まいったなぁ。

 でも福岡空港に整然と並ぶ飛行機を見て、大はしゃぎ。日曜学校で「飛行機のおもちゃを与えてください。」と祈った祈りは答えられなかったが、本物の飛行機を間近に見ることができた。

 帰り道。朝7時。家に電話をかける。「朝だよ〜。起きてよ〜。」
携帯電話ができて本当に便利になった。

 「おかあさん、おしっこ。」「おかあさん、うんち。」
「えっー、だってさっきしたじゃない?」と疑いの目で見るが、友人の車にされては大変と、何度も何度もサービスエリアに停車した。しかも、子供たちの靴を忘れていた。どうしよう!

 とにもかくにも、ふたりを素足のまま抱いて一人を外のベンチに座らせ、もう一人をトイレの赤ちゃん用のベッドに座らせてすぐにひきかえし、ベンチに座っていた子を洋式のトイレに座らせた。そうしてまた、赤ちゃん用のベットに座っていた子をまた別の洋式のトイレに座らせた。
こうして、また事なきを得た。

 福岡までの道は遠いが、この帰り道高速道路の真上にきれいな虹がかかったことがある。虹のトンネルをくぐってずっーと走るという映画のようなシーンに、神様の愛を深く感じて涙があふれて止まらなかった。
早朝のドライブ