木原 純子
6月18日(水)
「ハッピバースディ トゥユー♪」
「メイ ジーザス ブレス ユー♪」
15年前の今日、初めての子を出産した。今日は長女の15回目の誕生日。我が家ではいつも必ずケーキを焼いて、電気を消して真っ暗になったところでハッピーバスデイを歌う事になっている。2番は同じメロディでメイ
ジーザス ブレス ユーと歌う。これはイエス様があなたを祝福してくださるように、と言う意味。7人の子供たちが取り囲んで手をたたきながら、踊りながら大声で歌うので近所一体声が響き渡っている。
この日ばかりは、みんな主役になれる。
思いっきりお腹に息を吸い込んで、「ふうっー」と一気にろうそくの火を消す。
「うわぁー」と大歓声が上がる。
「ひゅーひゅー」とお祝いの口笛が鳴る。
みんな幸せいっぱいの顔をしている。
だって、いつもなら、この後お父さんがお祈りをしてくれて、ケーキが食べられるのだ。
ところが今年はオーブンが壊れてしまった。ボン! と爆発してくさい煙が出るようになった。ケーキが焼けない。どうしよう。本物のケーキ屋さんに行ってみたが、あまりに小さい。予約は4時までです。と言われた時刻が刻々と迫る中、もんもんと考えた。「そうだ!
炊飯器でケーキを作ろう!」
以前、学校に行けなくて不登校をしていた子が、退屈で朝から炊飯器でケーキを作っていたのを思い出したのだ。確かホットケーキの粉で作っていた。適当に水を入れ、炊飯器の底に油をぬり、種を流し込んでスイッチを入れた。超簡単!
底の形が丸かったので丸いケーキができた。出来上がりは、ちょっとぺちゃんこ。食べ心地はかなり重い。一体あいつはどうやって作っていたんだろう。ふわぁっとおいしいケーキが炊飯器でも簡単に作れるはずなのだ。「早く帰ってこーい!」 今では
まじめに学校に行きだした子に、心の中でそう叫んだ。
結局市販のバームクーヘンを輪切りにスライスして、バニラのアイスクリームをはさみ、トップにもアイスクリームを乗せて、生クリームで飾り、チェリーとカラフルなトッピングを振りかけたら、今までで最高においしいケーキになった。
お父さんはアフリカでいないけど、おじいちゃんが来てくれてお祈りしてくれた。来年家を出るならば、今年は最後になるかもしれない長女の誕生日。
この一年、メイ ジーザス ブレス ユー!
ハッピィバースディ