木原 純子
6月27日(金)
今日はお父さんがアフリカから帰ってくる。福岡まで車で迎えに行く事になった。あいにくの雨。途中ライトをつけないと、前方が見えないほど降り出した。高速道路を水中翼船のように車が走る。
と、携帯電話が鳴った。保育園で料理中に4歳の4女が包丁で指を切ったと言うのだ。「これから、形成外科に行って何針か縫ってもらうことになりそうです。」との事だった。福岡に向かっている車で、引き返すに引き返せない。
ハンドルを握りながら、
「神さま〜! どうか痛くないようににしてあげてください。
縫うとき神さまがそばにいてあげてください。」と
心の中で、思いっきり叫んだ。
翌日、包帯のつけかえに行ってみると、看護婦さんとお医者さんとがびっくりしたように言ってくださった。「ホントに強かったねぇ。縫っているときに一回も泣かなかったなんて珍しいョ!」「えっ!
ホントに泣かなかったんですか?」
いつもすぐにめそめそ泣いてしまう4女が、母親がいなくても泣かなかったなんて。神様が本当に守って下さったんだ。心からそう思った。
包丁で料理