木原 純子
8人の子育て日記
7月9日(水)
 パトモス島───エーゲ海に浮かぶギリシャの島に、夫婦で旅立つことになった。教会の仕事で行くことが決まっていた夫に急遽くっついていくことになったのだ。

 なんて優雅な! と思われるかもしれないが、切実な問題でもあった。
先の読めない不透明な時代。1999年に国歌、国旗法などが制定されてから、日本は間違いなく再び不穏な時代に逆戻りをしようとしている。イラクにも自衛隊が派兵されようとしている。

広島の校長先生などが立て続きに自殺に追い込まれている。更に昨年の9月11日のテロ以降、イスラムの世界との関係が深刻な問題となりつつある。

 そして、今回のような幼児殺人事件。犯人はまだ捕まっていない。
これからの時代を、私たちはどうやって生きていったら良いのだろう? 子供たちをどうやって育んだらいいんだろう?

 聖書の中の一番最後の黙示録。ここにはこれからの時代のことが書いてある。そしてこれを朗読するものと、そこに書かれてあることに心を留めるものは幸いであると書いてある。 

 今回、その黙示録が書かれた島、パトモス島に出発する。どうしても行かなければという強い思いがやってきたのだ。子供たちはSさんとおじいちゃんにお願いするより他に手がない。 

 朝の4時。まだ暗いうちの眠っている一人一人の子供の胸や背中に手を置いて一言づつ祈る。「一週間、元気でね。」
パトモス島へ出発