木原 純子
8人の子育て日記
7月17日(木)
 親は市中引き回しの上、打ち首にすればいいんだよ。  
   
 帰国してすぐに新聞を読んでぎょっとした。4歳の幼児を殺した犯行は12歳の少年。その現実にある日本の政治家がこう発言したと言う。

 なんて事を言うんだろう。いたたまれない気持ちになった。少年の両親に思いを寄せて読んだ。しかし、次第に自分のことに重ね合わせて考えるようになった。

 今回の事件。あまりにも身近すぎる事件だった。とても他人事では済まされないものがある。少年が保護されている施設は子供たちが小学校に登校する途中、歩いて5分のところにある。連日報道されたテレビに映っていたのも、知り合いのお母さんやお友達。

 そして、うちにも4歳の子供がいる。その上、12歳の子供もいるのだ。
今回逮捕の決め手となったのが運動靴。見覚えのない靴だったので全く不安はなかったが、うちの中学生も殺害現場のある繁華街の方向に週2回語学の勉強に通っているのだ。制服で行くので、防犯カメラに写っていたという白のカッターシャツと黒のズボンという姿になる。しかも時間帯が丁度同じ頃の夜。一瞬脳裏をかすめたのは、事件は何曜日だったのかと言うこと。事件のあったのは火曜日だった。語学学校の日は、月曜日と木曜日。ほっとした。
 
 私は私自身が長崎市内の大通りを引き回されて、最後には打ち首になるシーンを思い浮かべてしまった。そうして初めて、こんなとんでもないと思える発言から、「あぁ、親の責任ってこんなに重いものだったんだ。いい加減な気持ちで、適当にやってちゃいけないんだ。」と子育ての重みを深くかみしめた。
打ち首発言