木原 純子
8人の子育て日記
8月1日(金)
 お母さんのおひざで耳掃除、こんなに気持ちの良い事はない。私は一人っ娘であったので、幼い頃母のひざを独占していた。今から思えば、気長に気長に私が眠るまで母は、ずっーと手を動かし続けてくれた。長女はそれが
「ずるい」という。確かにそうだ。

 私が一人の子の耳掃除を始めると、そこにまた誰かがやってくる。右手と左手と両方でやってみたが、長くは続かない。今では順番を待てるようになったが、数年前、5〜6人が一度にやってきた事があった。当然ひざには乗らないので、床に一度に寝かせた。耳を天井に向けて。

 一人の子の耳をちょこちょこっと掃除して、それから次の子の耳をちょこちょこっと掃除する。ここで問題が出てくる。昔習ったメンデルの法則だったっけ、遺伝の関係で、綿棒を使う子と耳かきを使う子に分かれるためだ。綿棒を使う子には綿棒に、耳かきを使う子には耳かきに持ち替えながら、ちょこちょこっと耳の中でかき回す。

 これを順番にやっていて、何だかたこ焼きを焼いている気分になった。すぐそばに『たこ焼きマー坊』というたこ焼き屋さんがある。12粒入って250 円。一皿買って食べたら一人一粒しか食べられなかったのがめちゃくちゃ虚しかった。

 夫は牧師になれなかったら、たこ焼き屋さんになろうと思った位たこ焼きを焼いてみたいらしい。うちにたこ焼き器はないが、子供たちの耳の穴がたこ焼き器に見えてきた。
たこ焼き風耳そうじ