木原 純子
8人の子育て日記
8月14日(木)の2
 長〜い夏休み、次女と3女は岐阜のおじいちゃん、おばあちょんの所に遊びに行った。長男は一人旅で大阪から岐阜に向かい、合流した。すれ違いで帰ってくる予定だったのだ。長男は一人でゆっくりしたかったらしい。ところが、次女たちが帰ってくるまさに当日(8日)、台風10号に直撃された。変更につぐ変更で延び延びとなり、やっと今日帰って来れる事になった!

 帰ってくる子は2番目と4番目と6番目。ずっーと長崎にいた子は、3番目と5番目と7番目と8番目。この落差は激しい。遊びに行った子は、プールに連れて行ってもらったり、花火を見たりと、この夏を満喫したに違いない。しかし、長崎にいた子は暑い夏をただ耐えただけの夏休みだったのだ。そこで、飛行場に迎えに行く前に、この落差を埋めようと、長崎居残り組の子供たちを、一皿120円の回転寿司に連れて行くことになった。

 回転寿司、家族全員で入る事はめったにない。皿が次々と積み上げられていくのを見ると、胃に悪い。お父さんには叱られるのだが、私はどうしたって「たくさん食べるなよ〜! 何皿までよ〜!」と叫びながら食べている。しかし、今日は7番目と8番目。この子達は1皿か2皿しか食べないことが分かっていたのでちょっと安心して連れて行った。カウンターに上り、目の前をうなぎやつややかなサーモンが流れていく。でも、今日は8月14日。長崎の私たちの教会では、9日から15日までは、それぞれが断食をしてお祈りする特別な1週間なのだった。真夏日にあったかい白湯を飲みながら、子供たちにうなぎのたれを付けてあげた。不思議なほど体が守られている。支えられている。

 そうして、飛行場に迎えに行った。ずっーとかぶりつきで、ガラス越しに次女たちを探しているのだが見つからない。と、不意打ちで私の前をすっーと同じくらいの背の女の子が通った。髪の毛を短く切り、スマートなお洋服に身を包んで帰ってきた。「うわぁー。誰だかわからなかったよ。」7番目の4女が遠くから名前を呼んで飛びついた。4歳の小さな体でおねえちゃんの重いスーツケースを引きずって持ってゆく。みんな会うのがひさしぶり。次男と3男はバツが悪そうに遠巻きに見ながらニヤニヤとやってきた。長崎空港がなつかしい同窓会のような雰囲気に包まれた。

 帰りの車の中は大賑わい。お土産を広げてみんなニコニコしている。ずっとこんなだといいのだけれど。4人の子供たちが7人になってやっといつもの活気が戻ってきた。
再 会 (1)