木原 純子
10月15日(土)
し り と り
 
 小学校1年生の3女には、今毎日ひらがなの宿題がある。めったにノートを見てあげることがなかったが、今日ひょんなことからノートを見てみた。
ジャポニカ学習帳に、しりとりで言葉を考えて書いていた。

 るびいーいかだーだかい(?)ー いみーみちがひらくーくしがある−るんるんとぶーぶすーするめーめんこし(?)−しらない−いたいよ−よろこび−びすけっと−とまとんび(?)ーびいだま−まくら−らっぱーつみき−きつねーねこ−こあら−らじおたいそう−うさぎーぎんこう−うずまき−きり−りさいくるるか−かみのけーけしごむ−むちゅう−うみ−みみず−ずっこけ3にんぐみーみらいーいっさい−いすらえるるつ−つまづく−くるよ−よびかけ−けっこんしき−きすしてくださいおうじさま−まいくーくすりーりかーからだーだらだらーらくだーだきつくくいものーのんきーきつねーねこーこぶたーたいこ。
 
 みちがひらく、これはたぶん受験をひかえた、お姉ちゃんと私の祈りを聞いているんだろうと思う。「神さま、どうか道を開いて下さい。」と眠るまえに祈ることがある。
 だかい、もしこれが「打開」という意味なら天才的だが、「高い」を間違えて書いている可能性大。
 ぶす、これはお兄ちゃんが妹をからかう時に使っている。
 ぎんこう、これもよくお父さんが、水道代が落ちているかと心配して見に行く。
 りさいくる、こんな言葉を知っているんだなぁ。 
 るか、これは聖書に出てくるお医者さんの名前。
 ずっこけ3人組、これは何だろう?と思っていると、次女が「最近図書室で借りてきた本に出てくるんだよ。」と教えてくれた。
 いすらえる、これはキリストが生まれた特別な国。今では自爆テロが頻繁に起こっているとっても危険な国になってしまったが、しばしばお父さんが行くので頭にこびりついているんだろう。
 るつ、これも聖書に出てくる女性の名前。お姑さんを愛した、世界中のお嫁さんの鏡。 
 きすしてくださいおうじさま、これには、ぎょっ!とした。「何、これ?こんなの先生に出してるの?」その上、だきつく?  そうだ、これは先週見たディズニーか何かのビデオ、『シュレック』だ。美しいお姫様が、夜になると怪物の醜い顔に変わってしまう。でも王子さまが、キスしてくれると本当の姿になれると言うお話。でも、その王子様、心優しいけれど醜い怪物だった。晴れて美しいお姫様になれるんだと、誰もが期待している最後のクライマックスのシーンで、お姫様は王子様のキスを受けて本当の姿になる。しかし、それは美しい姿ではなく、醜いままの姿だった。そして2人、とっても幸せに暮らす。(でも、学校の先生、そこまでわかんないよ。きっと。)
 そして、最後はくいもの、食べ物でなくて食いもの。これは、お兄ちゃんが「何か食いもんある?」って言うのを日々聞いているためだ。
 
 もう本当に「生活」がにじみ出ている。たかが、ひらがなの宿題、といっても1年生の子供の頭の中は、良いことも悪いことも、毎日の家庭生活の中で、見たこと聞いたことで満ちている。大きく影響を受けている。