木原 純子
12月12日(金)
 
役員決め
 「お母さん、明日の授業参観来てくれないの?」次女があんまりつまらなそうに言うので、とにかく仕事も早々に走って駆けつけた。ところが教室に着いてみると、授業はもう終わっていて、PTAの懇談会になっていた。何やら『し〜ん』としている。そう、来年の役員決めだったのだ。

 しかも、それは普通の役員決めではなかった。次女は来年6年生になるため、本部役員と言って学校全体の副会長を決める役員決めだったのだ。「飛んで火にいる夏の虫」のごとく、そんな場所へ私は勢い良く飛び込んでしまった。不意打ちだった。

 1組、2組、3組とあるうち各組から1人づつ本部の代表委員を出して、その中の1人が副会長になるのだそうだ。(会長は男性と決まっていて、また別の選出方法で出す。)これが、なかなか決まらなくってすでに長時間が過ぎていた。みんな疲れきっている。

 結局、「今まで一度もPTAの役員をやったことのない人で、話し合って決めて下さい。」と言うことになった。一度もやったことのない人は、5人だけ。私もしっかりその1人だった。自分の子を生かしているだけで精一杯なのに、どうして学校の大切な御用が出来るだろうと、とにかく逃げ回っていた。(ごめんなさい!)

 しかも、この本部の役員にならなくっても、6年生のクラス委員か専門部という役員のどれかにはならなくてはならないとの事。みんな仕事を持っている。小さな子どもだっている。「うん、それならば今年は引き受けよう!」そう覚悟を決めた。本部なら3男や3女のためにもなると思って引き受けることにした。みんな、ほっとして一見落着。やっとお開きになって帰って行った。

 さあ、それからが1組、2組、3組、の代表が集まって、副会長を決める時。隣のクラスは更に難航してまだ代表が決まらない。やっと、決まったときには何人もの方が涙ぐんでいた。「そんなに辛いなら、やっぱり今年は自分が引き受けよう」と腹をくくった、その時だった。もうひとつ別のクラスのお母さんが、「もう、私がやりますよ。えぇ、やりますよ。」と気持ちよく引き受けて下さったのだった。何でも『8人の子育て日記』のニュースを見てくださっていて、「とんでもない!木原さんにさせるわけには行きません。」と言って下さったのだ。

 結局私は副会長の次点の次点候補と言うことになり、クラス委員も専門部役員もしなくてよいと言うことになった。実質上、ホントに何んにもしなくていいお役目におさまってしまった。6年間、いつかはまわっくるといつも胸を痛めていたことが、あっけない幕引きとなった。この日が、テレビ放映の後で本当に良かった。