木原 純子
1月7日(水)
 
宿題のプリント2
 いよいよ、明日から3学期。お正月、遅寝遅起きがすっかり身についてしまった。ぞうきんやうわぐつの準備をして、通知表にはんこを押して、とにかく早く寝ること、これが今日の課題だった。

 そして、絶対忘れられないのが、宿題のプリント。なくしてしまった一人の子のプリントは、ランドセル置き場の棚の裏側に落ちていたのを発見して、事なきを得た。でも、もう一人の子のプリントは依然出てこないまま。結局、お友達のプリントをコピーさせてもらうことになった。えんびつで書いてある答えは、薄くコピーすると全く消えてしまって元通りの問題用紙に復元ができた。

 ところが、最後の最後、もう寝ようという夜の9時になって、「プリント集の表紙のコピーもほしい」と言い出したのだ。表紙なんて必要ないかとコピーをしておかなかったので、もう一度お友達に借りに行くことになった。実際、行くのを随分ためらった。体がきついし、夜も遅い。でも、「この子はいつも私を助けてくれてるもんなぁ」そう思いなおして、夜道をふたりでお友達の家まで歩き出した。

 こんな風に夜道を2人で散歩なんて初めてのこと。「いいお友達をもって良かったねぇ」そんなことを話しながら、プリントを貸してもらい、近くのコンビニにコピーに向かった。と、その時だった。狭い路地から一人の婦人の方が出てこられて、声を掛けて下さった。「この前、テレビに出ておられましたね。昨日の新聞も見ましたよ。」「今度、教会に行きますね。」2〜3秒歩くタイミングがずれたら会えなかった方。満月の夜空は冷たかったが、心あったまる出会いだった。

 何と、この方は子供たちが大好きな大好きなプロ野球選手の、遠い親戚に当たる方だった。子ども達は沸きに沸いた。「宿題プリント失くすなんて、どうしようもない。」と落胆していたが、神様はこんな欠点も大きなプレゼントに変えて下さった。本当に素敵な夜になった。