木原 純子
4月 9日(金)
次男の作ったお弁当
 

 朝、7時10分、いつものように早朝の教会のお祈り会を終えて家に帰ってみると、次男が新しい学生服に着替えていた。「あっ、お母さん、お弁当作るの、わすれとった!」と、そう叫ぶと「僕、もう作ったよ。」というびっくり仰天の答え。

「えぇっ! 本当に?」とお弁当箱の中をのぞいてみると、
きれいなグリーンのサニーレタスを敷いて、その上に黄色い卵のスクランブルエッグをのせて、その横にゴマ豆腐を小さく切って添えてあった。

一昨日入学式を終えた次男は、昨日から私立の中学に通うことになったのだ。ひとり朝早いスクールバスに乗って、ぶかぶかの学生服を着て、重いカバンをさげて出てゆく。一体、誰が私立の中学に通うことになるなんて思ったことだろう。8人の子供がいて、私立の中学なんて…。その上、この春は長女も私立高校に入学した。これはまったくの自殺行為。充分な経済力があるわけではない。ただ、一人一人の子供たちの個性にあった最高の教育を受けさせてあげたい。ただ、ただ、そんな愛情だけがたっぷりとある。

 次男は登校拒否をし、ガキ大将で、まったくの母親泣かせの子だった。どうして育ててよいものやら、とにかく一匹サルが混じりこんだんだと自分に言い聞かせてきて、育てるというよりはただ一緒に生活してきただけだった。ところが、ところがである。先日、教会での報告の時、「何の文句も言わないで僕を私立に入れてくれたお父さん、ありがとう。それにお母さんは僕よりちっちゃくて8人育ててくれてすごいなって思います。」とボロボロと泣いてくれたのだった。

だからどんなに苦労しても、何とか通わせてあげたいと思う。それが辛いどころか、うれしいって感じる。

 今日のお弁当を見た後,二階に上がってみると、新しい中学のカッターシャツと靴下が洗濯をして干してあった。本当に感動の連続。
 
8人の子育て日記