2月3日(木)
木原 純子
雪の夜のドライブ
初雪がふったその晩、塾に行っている息子から電話があった。
「おかあ、迎えに来てくれん?」自転車で行ったはいいものの、帰って来れなくなったのだ。
 そんな訳で寒い夜、老骨に?むち打って、車で迎えに行った。
自転車に降り積もった雪を払い落として、車に載せて、そうして発進してからものの2分。車の計器が赤ランプとなり、何とエンジンが止まってしまったのだ。夜とはいえ通行量の多いバス道路! 「どうしよう!! 」とにかく歩道に乗り上げた。
 そして、「感謝します、感謝します。神さま、感謝します。」といって、しばらくすると1年以上も使っていなかったチョークの存在に気がついた。久しぶりにチョークを思い切ってひっぱるとブルブルと元気良くエンジンがかかってくれた。
 「あー良かった。」ほっとして走り出すと今度は、無灯火で走っている事に気がついた。「まずい、まずい。」そう言ってライトをつけると、フュッーとまたエンジンが止まってしまった。 真っ青になった。
 今度はチョークを引っ張ってみてもダメ。キーをまわしてもライトもつかない。アクセルを踏んでも、何の手ごたえもない。雪の夜に、人通りの少ない暗い通り。「いよいよこれはJAFを呼ぶしかないのか」と頭によぎりつつ、やはりもう一度感謝をした。
 「感謝します、神さま」と心を落ち着けてから、キーを回してみると、何とライトがついたのだ! そしてエンジンもかかった。
 「うわぁ、すごい、すごい!!」もうあとは人に何と言われようとかまわないと、無灯火で家まで走り着いた。
 スリル満点の雪の夜のドライブだった。助手席に乗っていた息子は終止無言。後部座席に乗っていた3女は、はにかんで感謝と言っていた。
 冷えきっていて、バッテリーに問題があるんだろうと思っていた私は、後日、ガソリンスタンドのお兄ちゃんと、いつも車検に出しているベテランのおじさんに状況を説明して見たが、首をかしげていた。
 「今、ちゃんと動いているから、バッテリーは大丈夫みたいだねぇ」とにかく、感謝ってすごい力。パニックにならずに済んで良かった。
8人の子育て日記