木原 純子
12月6日(火)
 
きつねうどん
 おなかをすかせた長女が帰ってきて、
「お母さん、お母さんきつねうどんが食べたい」という。
「うーん、いきなりきつねうどんといってもないなぁ」と言いながら、冷蔵庫の奥を探して見ると、あった、あった、いなり寿司用のレトルトのあげのパックが賞味期限ぎりぎりて゜あった。真空パックの封を切ると、ご飯を詰めるばかりになった油あげが甘辛くおいしそうに煮付けてある便利なもので、ずっーと以前にべんとうのおかず用に買っておいたものだった。

 「うん、これをうどんの上にのせよう!! 」そう思いついて、さっそく鍋の中に油あげを入れた。そうっーと箸から滑らせるようにしてカラメル色になった油あげを出していると、今年5歳になった末っ子が何やら神妙な顔をしてじっーと見ている。
 自分の目の高さとほぼ同じくらいの調理台の上の、カラメル色をした油揚げを、ちっちゃな瞳がとても心配そうに見つめている。
 そして、言った。「お母さん、これ、きつねの皮なの!?」

 それを聞いて大爆笑! 「ごめん、ごめん、心配させて…。」