2007.6.15

灯りがともった

 

我が家で一番人が集まる所、台所。
古いのでダイニングキッチンというよりは台所といった方がぴったりする。
その上、6畳から8畳の広さにところ狭しとテーブが2台おかれている、ここに10人が集まると、いすが足りない。誰かが立って食べるか、ひとつのいすに二つのお尻を突き合わせて食べたりしている。
食器棚の扉はいすでぶつかって開かなくなる。
一番とおくの人には、お皿が届かない、誰かに中継して渡してもらう事になる。
夕食時、そんな台所で、ガヤガヤと今日一日の事がすこしづつ聞こえてくる。
 
3日前、この台所の電気がついにこわれた。
まさに、「蛍光灯」。ひもをひっぱっても、ひっぱってもいつになってもつかない。なのでここのところずっーと昼も夜中もつけっぱなしだった。一度消したら、つく保証はないのだ。
それでも、あんまりもったいないと思って、消した所、夕食前にがちゃがちゃと癇癪をおこしてひっぱったら、ひもがきれてしまったのだった。
「あー、今日は停電の時のように真っ暗の中でご飯を食べよう」とそう心に決めた時、小学校1年生の末っ子が、入学時に買ってもらった机から、ライトをはずしてもって来た。
真っ暗な台所のテ−ブルの上のおかずが光で照らされて、いつもよりおいしそうに輝いた。
こんな、発想私には全く無かったので、こどもの柔らかいアイデアに感動していた。
 
そして、ついに、昨日待望の電気をお父さんが買って来てくれたのだ。
明るい電気、きれいな電気がついたその瞬間、みなでおもわずも「ウォ〜」と叫んでいた。
そして末っ子が大きな声で言った。
「光の子どもらしくあゆみなさい」
そしてみなで言った。「もっと、早く買いに行けば良かったのにね。」