『不可能に向かって奇跡を祈った教会の人々』
聖書箇所 使徒の働き12章1〜14節 メッセンジャー イザヤ木原真牧師
・それぞれの使命
ヘロデ王はイエス様の弟子であったヤコブを捕え殺しました。それがユダヤ人の気に入ったのを見たので、さらにペテロをも捕えました。しかし、ペテロはこの後、助け出されました。同じイエス様の弟子であったのに、ヤコブは殺され、ペテロは助け出されたのには理由があります。それは、彼らにはそれぞれ別の使命があったからです。どっちが優れていた、劣っていたということではありません。
同じように私たちにも使命があります。神様は私たち一人一人に計画と使命を与えておられるのです。だから皆が同じでなければいけないという事はありません。それぞれの個性やユニークさを神様は知っておられます。
・助け出されたペテロ
ペテロは捕えられ、牢に閉じ込められました。過ぎ越しの祭りの後に、最も目立つように殺すつもりだったのです。一方そのころ教会では彼が助け出されるよう祈るために、人々が集まっていました。しかし、ペテロが捕えられていた状況は、決して助け出されることは不可能なものでした。
ヘロデ王は捕えたペテロを4人一組の兵士4組に監視させました。4人のうち2人ペテロの両側に立ち、さらに鎖で手が繋がっています、牢の門には他の2人が見張りに立ちます。強固な監視のもと、ペテロ自身はヤコブと同じように殉教することを覚悟していたと思います。、
教会の人々もペテロが捕えられている状況を察していたと思いますし、助け出されるように祈りながらも、難しいことは知っていたと思われます。ですが彼らは祈っていたのです。
すると突然、奇蹟が起りました。ペテロが引き出される日の前日、主の御使いが現れて、牢を光が照らし出しました。御使いが、ペテロのわき腹をたたいて彼を起こしました。すると繋がれていた手の鎖が落ちました。御使いはペテロに靴と帯と上着を着せ、牢の外に連れて行きました。そして街に通じる鉄の門の外に出て、ペテロを安全なところまで連れて行った後に、御使いは離れて行きました。ペテロには目の前で行われていることが、現実だと思われず、幻を見ていると思ったほどでした。
私たちも鎖につながっているような状況、何かに捕らわれているような厳しい状況に立たされる事があります。しかし、神様はその鎖から私たちを解放してくださるのです。
・驚いた教会の人々
祈っていた教会の人々のもとへペテロが来ました。彼が入口の戸をたたくと、女中のロダが対応しました。彼女はペテロだと分かると、喜びのあまり戸も開けずに、中へ入り教会の人々にペテロが戸の前に立っていることを伝えました。しかし、教会の人々は信じられませんでした。「気が狂っているのだ」と言い、「本当だ。」と言い張る彼女に「それは御使いだ」と言って信じようともしませんでした。そして、戸をたたき続けていたペテロを見たとき、彼らは非常に驚きました。
彼らが不信仰だったというより、彼らが祈っていたことは、信じられないのも仕方がないほどの、絶対に不可能なことだったのです。しかし、彼らは祈りました。不可能だと思っても祈ったのです。
私たちも、あるところまでは信じられても、あるところを過ぎると信じられないものです。しかし、それでも彼らが祈った時に、神様はそれを信仰と見てくださいました。一人では祈れない事があります。ですが、教会でならばあきらめないで、祈ることが出来るのです。すると奇蹟が起るのです。
(文責 松本俊也)
主の十字架クリスチャンセンター 神のしもべ長教会
2013年6月9日 主日第2礼拝メッセージより