『2つの奇蹟』
聖書箇所 マタイの福音書14章18〜20、28〜33節 メッセンジャー イザヤ木原真牧師
・今あるものを感謝する
この頃、人気絶頂であったイエス様のもとには、多くの群衆が集まってきました。5.000人と書かれていますが、当時のユダヤ文化では、男性しか数えられませんので、女性、子どもを加えれば、2万人を超える人々がいたと思われます。
日も暮れ始め、弟子たちは群衆を帰らせようと思いました。彼らの判断は現状を見れば理解しやすいものです。ところが、イエス様の計画はまったく違うものでした。「彼らが出かけて行く必要はありません。あなたがたで、あの人たちに何か食べる物を上げなさい。」2万人以上いる人々の食事の用意をするように、弟子たちに言われたのです。それは彼らに到底できるはずのないことでした。彼らが「ここには、パンが五つと魚が二匹よりほかありません。」と言うと、イエス様は、それを持ってくるように、弟子たちに言われました。そして、その五つのパンと、2匹の魚を、祝福して裂きはじめ、弟子たちに群衆に配るように、渡されました。すると、そこにいた全員が満腹になりました。これは、奇蹟です。
何にポイントがあったのでしょうか。それは、イエス様が、今あるものを祝福されたことです。この「祝福」という言葉は、他の福音書を見ると「感謝」と書かれています。私たちは無いものに心を奪われ、数えてしまいます。しかし、イエス様は、無いものに目を向けたのではなく、今あるものを感謝されたのです。
能力でも、時間でも、経済でも、今あるものを主のもとに持って行って、それを神様に感謝するとき、そこから神の奇蹟が始まるのです。
・神のことばに踏み出す
イエス様は弟子たちを先に舟に乗せて湖を渡らせました。しかし、向かい風が強く、前にも後ろにも進めなくなってしまいました。そこにイエス様が水の上を歩いて来られました。弟子たちは「幽霊だ」と騒ぎましたが、「しっかりしなさい。わたしだ。恐れることはない。」と、すぐにイエス様が声をかけられました。そこでペテロが応えます。「主よ。もし、あなたでしたら、私に、水の上を歩いてここまで来い、とお命じになってください。」と。するとイエス様が「来なさい。」と言われました。そのことばをもらった時、ペテロは舟から出て、水の上に踏み出しました。そして水の上を歩いたのです。
ペテロは「来なさい」という神のことば従って、踏み出したのです。神のことばが与えられたならば、踏み出すのです。その時に、神の奇蹟が起るのです。舟に乗っている方が安泰だと私たちは考えます。今いる場所にいる方がいいと思うこともあるでしょう。しかし、神のことばに従って踏み出す時に、神の奇蹟は起こるのです。
・すぐに手をのばされたイエス様
水の上を歩き始めたペテロでしたが、風を見たその瞬間、恐れがおおい、彼は沈みかけました。その瞬間、彼は「助けてください」叫びました。するとイエス様は、すぐに彼に手をのばしてくださり、助けられました。
イエス様に従って踏み出したとき、私たちが失敗したり、間違えてしまったとしたら、すぐにイエス様に叫びましょう。その心の叫びに応えて、イエス様がすぐに助けてくださるからです。
私たちの人生に、イエス様は多くの奇蹟を用意しておられます。今あるものを感謝して、神の奇蹟を期待しましょう。神のことばが与えられたなら、恐れずに舟から出て踏み出しましょう。神の奇蹟を見るからです。
(文責 松本俊也)
主の十字架クリスチャンセンター 神のしもべ長崎教会
2015年4月12日 主日第2礼拝メッセージ