日本二十六聖人を通して神が教えて下さったこと

1. 喜びにあふれていたこと
2. 天国の確信と報い
3. 十字架上で賛美すること
4. 家族の中で育まれた信仰
5. 赦しの力
6. 悔い改めを大切にする心
7. 福音を語り続けること
8. 人々の魂に対する情熱
9. 神にゆだねること
10. 選択の時、神を選び切る力
11. 強いられた十字架の祝福
12. ひとつになれる素晴らしさ
         
1. 喜びにあふれていたこと

 

少年アントニオ

26人の殉教者の中にいた3人の少年の中に、アントニオという13歳の少年がいました。
彼の父は中国人でお金持ちでした。母は長崎の人でした。

役人たちは、アントニオのイエス・キリストへの信仰を何とかして捨てさせようと、
長崎にいた両親を彼のかけられている十字架の足元に連れてきました。

母が十字架に架けられている息子のアントニオに向かって叫びます。

「お願いだから、降りてきて。親に先立つほどの不孝はない。お願いだから降りてきて。」

アントニオは母に向かって言いました。

「お母さん、喜んでください。私は、これから永遠なるパライソ、天国に行くのです。だからおかあさん、喜んでください。」

父親も十字架にすがりついて言いました。

「アントニオ、私の財産を全部お前にやる。だからお願いだから、十字架から降りてきてくれ。お前の言うことはなんでも聞いてやる。頼むから十字架から降りてこい。」

アントニオは父に向かって十字架の上から語りかけます。

「おとうさん、この世の富は儚いものです。やがて消えていくものにすぎません。しかしキリストを信じると永遠の富を受けることができます。お父さん、キリストを信じて永遠の富を蓄えてください。私は、その永遠の富のあるパライソなる天に行くのです。だから喜んでください。」と。

父と母は、十字架にしがみついてアントニオを見上げて絶唱しました。

「お願いだから降りてきて。アントニオ、お願いだから降りてきて。」と。

アントニオは穏やかな表情で父と母に向かって言いました。

「おとうさん、おかあさん、喜んでください。喜んでください。私は永遠なるパライソなる天に行くのです。そこでお父様とお母様をお待ちしています。お父様もお母様も家ス・キリストを信じてよー私のいくパライソなる天に必ず来てください。そこで私はお二人をお待ちしています。お父さん、お母さん、ですから、喜んでください。喜んでください。」と。

気が狂ったようになって叫び絶唱する両親に向かって、
13歳の少年アントニオは穏やかに確信を持って
「喜んでください。喜んでください。」と言いました。

この少年は自分が永遠なる天に必ず行けることを知っていたのです。確信していたのです。

イエス・キリストを信じるものが持つ天からの喜びと平安、そして希望を彼も持っていました。