日本二十六聖人を通して神が教えて下さったこと

1. 喜びにあふれていたこと
2. 天国の確信と報い
3. 十字架上で賛美すること
4. 家族の中で育まれた信仰
5. 赦しの力
6. 悔い改めを大切にする心
7. 福音を語り続けること
8. 人々の魂に対する情熱
9. 神にゆだねること
10. 選択の時、神を選び切る力
11. 強いられた十字架の祝福
12. ひとつになれる素晴らしさ
         
7. 福音を語り続けること

 

殉教の前にー最後まで魂の救いを求めた父子、ヨハネ五島(デュアン草庵)

西坂の丘で殉教する直前、
26人は浦上のらい病院で、ほんのひと時、休みを取ります。

夜明けとともに、
凍てつくような寒い夜を過ごした時津を出て、
殉教する西坂の丘に向かい歩き続けてきたからでしよう。

ちょうどその時、そこにヨハネ五島のお父さんがやってきました。
まもなく殉教する息子に会い、最後のお別れを言うために、父はやってきたのです。

年老いた父を見つけると、
19歳の青年ヨハネ五島はやにわに駆け寄り、
しっかりと父と抱き合いました。

「お父様。魂の救い、永遠の命に勝るものは何もございませぬ。
 このことをしっかりと心に留めて、油断せず、くれぐれも怠らぬようお願いいたします。」

父が応えます。

「ジュアンよ。その通りだ。
 決して怠りはしないから、お前は安心して、喜んで天に帰って行きなさい。
 お前は神さまに忠誠を尽くして死ぬのだから、父は喜んで見届けよう。
 私もお母さんも必要とあらば、主が思し召しになる時に、
 喜んでこの命をキリストさまに捧げる覚悟も用意もできいる。」

自分が殉教する時に、魂の救い、宣教のことを父に願ったヨハネ五島。
そしてそれをしっかりと受け取って応答した父。
彼らはともに殉教を前にしても、宣教のことを考えていました。

父は今、殉教を前にして、魂の救い、宣教のことを語る息子を見て、とても満足していました。
今まで祈りと愛をもって育んできた息子の信仰は、殉教という試練の中で豊かに開花したのです。

これは素晴らしい祝福でした。

この親子の心にあったのは、魂の救い、宣教だったのです。